ずっと好きだった

「何してんの?」

「空見てた。…ねぇ横山くんは高校決めた?」

「ん?俺…?鈴高…っつーか入れんなら何処でもいいし、高卒の資格だけとれたらいい」


そう言いながら横山くんは腰を下ろしたと思うと、ポケットから箱を取り出し白い何かをくわえた。

カチッと音を鳴らし、その白い何かの先端に火を点けるのは紛れもなくタバコで…


「え、ちょっ、何してんの?!」

「え、何って何?」


横山くんはタバコをくわえたままあたしを見る。


「だから、それってタバコじゃん。ヤバイじゃん!!」

「何で?」

「何でって見つかったら――…」

「だから見つからねぇように吸ってんだよ」


悪びれもなく、そう答える横山くんに唖然としてしまった。

口から白い煙を吐き出す横山くんは、


「なんなら七瀬も吸ってみる?」


そう言って、あたしにタバコの箱を差し出した。


「えっ、あたしはいいよ。…ってか横山くんってさ、あんまり学校来てないよね」

「うん」

「うんって…。どうせ横山くんの事だから女でしょ?」


そう言うと横山くんは一瞬、顔を顰めた。


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