女優デビュー
驚かせたお詫びに、とレモンティーを買ってもらい、並んでベンチに座った。


「ところでさ、さっきのはなんだったの?
千夏ちゃん、もしかして、奏真君と付き合ってるワケ?」

ナッキーさんは興味津々といった様子で私の顔を覗き込んできた。

ゴホッ

見られてたなんて……

思わず咳き込みながら私は言った。

「べ、別にそんなんじゃないですよ」


ところが、ナッキーさんはズイッと私に体を寄せてきて、追求してきた。

「すっごく顔近かったよ~。
奏真君にナニ言われてたの?
言うまで帰さないわよ。
白状なさーい!」


「もうしょうがないなあ……」


ナッキーさんには、敵わない。

私は洗いざらい白状させられた。

< 113 / 260 >

この作品をシェア

pagetop