女優デビュー
「なに?」

顔だけ戻すと、淳君は自分の隣をポンポンたたいた。

「ちょっと話があるんだ、座って?」

淳君が私に話?

なんだろう?

私は首をかしげながらも楽屋に入り、淳君の隣に腰を下ろした。


「話って?」

私が促すと、淳君は落ち着きなく視線をさまよわせながら言った。

「あのさ、千夏ちゃん、学さんとあまり仲良くしないほうがいいと思うんだ」


へ?

学さんと?


「なんで?」

私は意外な思いで淳君に聞いた。

ナッキーさんからは奏真君に近づくなって言われ、今度は淳君が学さんに近づくなって言う。

どうなってんの?

< 126 / 260 >

この作品をシェア

pagetop