女優デビュー
「正直に言いますが、最初は私も社長の指示通り、あなたのことは放置気味でした。
でも、あなたが自ら演技の勉強をしたい、と言い出したときから、私はあなたを女優として売り出したいと思うようになりました。
悟や庄司さんのおかげもあって、あなたの演技力はどんどん上達していきました。
私はあなたに演技指導はできませんが、あなたを売り出すためにあちこちにあなたの名前を覚えてもらおうと動いてはいたんです。
それで今日、なんとかあなた単独の撮影をすることができました。
でも、まだまだあなたの知名度は低いです。
それで、少しでも多くの人にあなたの魅力を知ってもらうおうと、ブログを提案したんです」


今までクールな人だと思ってた石田さんに熱心に語られ、私はもう返す言葉がなかった。


石田さん、私の味方だった。


私の勘違いだった。


今日の仕事も石田さんが取ってきてくれたんだ……

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