女優デビュー
私が何も答えないのをナッキーさんは肯定と取った。


まあ、そのとおりなんだけど。


「いるなら、これを機会にコクっちゃえば?
それで両思いになって、ファーストキス、体験しちゃえばいいのよ。
そうしたら、演技にも磨きがかかるってもんだわ」


ナッキーさんは明るくそんなふうに言った。


そりゃあね。

そうできたらどんなにいいか。

でも、無理。

いろんな意味で無理。

まず、私、今まで告白なんてしたことないし。

もしできたとしても、相手は超人気俳優の学さん。

私なんか相手にしてくれるわけがない。

それに、もし私が学さんを好きってことがばれたら、奏真君が何を仕掛けてくるか……

< 182 / 260 >

この作品をシェア

pagetop