女優デビュー
2.いきなりデート?!
そんなこんなで、結局私は奏真君の車の助手席に座ってます。
……石田さんには内緒にしとこう。
「あの、ホント、すみません」
「いいのいいの。
それより、この後千夏ちゃんはもう何も予定はないんだよね?」
「はい」
「俺も今日はこれでおしまいなんだ。
腹減ったよね?
なんか食べに行こう」
「え?
そんな、困ります」
「言っただろ、コミュニケーションだって。
大丈夫、一般人に見つからないとこあるから。
あ、お金のことなら心配しないでいいよ、おごるから」
「え、でも……、
家で母が心配すると思いますし」
う、我ながら下手な言い訳。
それになんかすごく子どもっぽい。
言ってしまってから赤面した。
できることなら言ってしまった言葉をかき集めて回収したい。