女優デビュー
うっ、それはやだ。


でも、学さんは涼しい表情。


何考えてるの?


社長に2度も同じことをやられて、もうあきれちゃってるのかな?


ナッキーさんにヘアメイクを整えてもらった私は、学さんと一緒にスタジオへ向かった。



「また、うちの社長の仕業なんでしょうね」


私が話しかけると、学さんは表情を変えずに答えた。


「まあ、そうだろうな。
でも、今回はでっち上げでも嘘でもないからな。
千夏、いっそ公表しないか?
俺たちのこと」


私はびっくりした。


「公表!?」


しかし、学さんはニコッと笑って私を見て続けた。


「ああ、ちょうどいいじゃないか。
公表しちまえば、誰にも文句言われることなく、堂々と付き合える。
どこでもデートし放題だぞ」


えええええっ!?

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