女優デビュー
奏真君は私の返事を待たずに続けた。


「学さんかっこいいもんね。
例のあの雑誌は見た?」

「え、……」


ハハ……あの雑誌って、やっぱり例のアレですよね?

セミヌードの……


はい、見ました。


でも。

でもね、それを15歳の私が『見ました』、って言うのって、ちょっと引かない?

ここは正直に答えない方がいいよね。

どうしよう。

なんて言おっか……


私が返事をためらっていると、奏真君はニヤニヤしながら話を続けた。


「あれ、すっごいセクシーだったよな。
男の俺でも惚れ惚れするくらいいい体だし。
あー、でも、15歳の千夏ちゃんにはちょっと刺激が強すぎたかなあ?」


えーーーーっ!?

もう見たこと前提の話になってるし!

まあ、実際見たんだけどさ。

私って、相当顔に何でも出ちゃうらしい……


「はあ、まあ……」

苦笑いしながら、あいまいに相槌打つしかないでしょ、こんな場合。

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