女優デビュー
「それとも……」


奏真君は意味ありげに私の顔を覗き込んできた。



「案外、そそられちゃった?」



そ、そ、そ、

そそられって!!


私はかあっと顔が熱くなるのを感じた。


奏真君、なんてことっ!

言っておきますけど、私、未経験ですからっ!

その、何がって、いや、いろいろ、アレもコレもソレももろもろナニもかも。


こういう会話、苦手。

いわゆる、下ネタっていうの?

早い子は、私と同い年くらいでも経験者はいるんだろうけど、私の周りはまだまだ全然っていう子ばかりで。

そういう話って仲のいい友達同士でもしないし。


私が黙り込んでしまうと、奏真君は、ふと真顔に戻った。
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