女優デビュー
すると、ナッキーさんは私の頬をプニプニ指でつまんだ。


「違う違う、その逆よ～
15歳でファンデなんていらないわ。
下手にあれこれ塗ってなかったからこれだけ肌がツルツルピカピカなんじゃない！」

「え、そうなんですか？
全然お手入れとかしてないから、怒られるかと思ってたんですけど」


おそるおそる聞くと、ナッキーさんは私の顔を左右に動かして鏡に映した。


「とんでもない！
ティーンのうちは洗顔さえちゃんとやっておけば、何にもしなくても十分きれいなのよ。
ただ、日焼け止めだけは塗ったほうがいいわね」

そうアドバイスをもらい、私は素直に頷いた。

「わかりました。
今日さっそく買って帰ります」


ナッキーさんはニッコリ微笑んで頷いてくれた。


いい人だな。

これからドラマ終了までお世話になるんだし、仲良くやっていけそうな人で良かった。

私も自然と笑顔になっていた。


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