女優デビュー
「ところでさ、今度のドラマ、イケメンが4人も出るじゃない?
千夏ちゃんは誰が1番タイプ?」


ナッキーさんは私の顔に何やら塗り始めながら話しかけてきた。


そう言われて、真っ先に私の脳裏に浮かんだのは、先日一緒に食事した奏真君だった。

おでこにキスされたあの日から約1週間。

もしかして連絡が来るかも、と毎日ケータイを気にしてた。

連絡なんてなかったんだけどね、1回も。

もちろん私からもしなかったし。

それでも、やっぱり気になっていた。


でも、一番好きなタイプって言ったら、やっぱり前から大好きな学さんかな?

でも、悟君も淳君もすごく人気のある俳優さんだし……


「えーと、皆さんかっこいいので……」


私が返答に困って当たり障りのない返事をすると、ナッキーさんは真剣に頷いた。

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