俺様神様!
銀色の髪が風に軽く靡く。



「大丈夫か?あいつなら斬ったぞ」



チャキ、と刀を鞘に納め、転んだままの体勢のあたしに手を貸してくれる。


「…斬っ、た?」

そんなまさか。


いくら真剣だといえども、世間一般の人間には絶対に不可能だ。


それを、この華奢な男子が。


「…ったくあいつは。俺が山下りても襲って来るとか、どんだけ頭おかしいんだよ」


けっ、と後ろを振り向き、自分が切り裂いた化け物の死骸に唾を吐いた。


……え?


そう思った瞬間には、既に異変が起きていた。


化け物が、溶けていくのだ。



「…ね、ねぇあなたは誰っ?!あいつは何?!どうして襲ってきたの?!」


聞きたいことがどっと押し寄せてきて、彼は面倒臭そうに答えた。
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