俺様神様!
「『妖魔』。山に住んでる獣にヒトの死霊が取り付いて、新たな意思を持って動き出した妖怪。

俺は烏丸佐助。あいつは俺を追い掛けて来るうちに人間の血の気に当てられて狂った。
右も左も分からなくなった世界で、一番俺に匂いの近い奴を襲った」



「匂い…?」



次々と疑問符を浮かべるあたしを今度は完全にシカトして、烏丸と名乗った彼は、あたしを指差して言った。


「おい、お前。お前は山科の家の者か」


「……家…あぁ、名前か。そうだ、けど」


奇妙に現実に戻っていく意識―…
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