俺様神様！

「…ありがとう！瑠璃くん！」



あたしは瑠璃くんと千歳に心から感謝を伝えると、長い廊下を走り出した。




里には火が点き、悲鳴が響き。


あたしはその中を駆け抜ける。


あたしは必死に銀色を探す。


ボロボロになった家を通り過ぎ、枯れた井戸を通り過ぎ。



奥まった場所にある竹林で、あたしは遂に見つける。



翼が生えていても、佐助は佐助だ。すぐに分かる。


本当の天狗の様な恰好の佐助。


高足一本歯の下駄、出会った時の装束とは違う、もっと山伏じみた服装。


そして彼と相対しているのは、千歳だ。


千歳も外見が全く異なっており、あの鳶色の髪は金色に、深い瞳は赤眼に。何より、その巨大な角。


お互いが本気だと、分かる。



あたしが走り出そうとした、瞬間だった。