俺様神様!
「…佐助!」



肩口を突かれ、血を噴く傷口を押さえる佐助に走り寄る。



「…燈…?!」


「佐助、ごめん。あたし、…あたし…」


「……何泣いてんだよ、不細工だぞ、泣いてるお前」



あたしはどうして泣いているんだろう?


佐助の言葉の中の優しさが、今ならはっきり分かる。


「…不細工なんて…失礼なヤツ」



あたしはすべての顔の筋肉を動員して、必死に笑って見せた。



「…それでいいぜ、お前。十分可愛い」



刀を杖にして、佐助は立ち上がった。



足は震えて、肩からは血を流して。



そこまでして、どうして戦うのよ!



向こう側で千歳もゆっくりと立ち上がる。



無敵の硬度を誇る左手からと、胴体のいくらかからは、佐助の刀によって血を噴いている。
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