俺様神様!
「止めようよこんなのッ…!」



叫びも、届かず。



ただ無心に刀を、槍を振る二人の青年。



天狗を守るために、天狗の敵を討つために、佐助は刀を握る。



妖魔を守るために、妖魔の敵を討つために、千歳は槍を握る。



人間のあたしは、ただ見ているだけ。



いつまでこの負の螺旋に嵌まってるの?


どこかで、断ち切らなきゃいけないんじゃないの?!


あたしは、佐助に死んでほしくない。


千歳にだって、死んでほしくない。


もしも、あたしと佐助と千歳、みんな普通の人間と天狗と妖魔だったら、仲良くやれたんじゃないか。
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