俺様神様!
「じゃ、決定だ。おい、お前の家の場所を教えろ」


「え?!あ、えっと」


「ここからでは見えないか」


無造作に彼は、あたしをひょい、と抱き抱えた。


あの、あの、あのあのあのっ?!
この体勢はお姫様抱っこって奴ですか?!


顔が真っ赤になっていくのがわかる。


こっち見たら変な目で見られるのは確実だ。


しかし、それ以上のことがあたしを襲う!


「…え、ええぇぇぇぇぇぇ?!飛んでるっ?!」


「いちいち騒ぐな鬱陶しい。天狗が空を飛べなかったら何の鳥が空を飛ぶってんだ」


天狗?

いまこの人天狗って言った?
…てことは、



「この町の神様…」



あたしの呟きは聞こえなかったのだろう、気が付くとあたし達は神山の頂上まで来ていた。
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