俺様神様!
「お前の家、何処だ?」


「えっと…」


あたしは町の中で一番大きな瓦屋根の家と、その隣の普通の民家を指差した。


「大きいのがおばあちゃんの家で、小さいのが叔父さんの家」


「おばあちゃん…山科ハルのことか?」


何で知ってるの、とは聞かなかった。
ていうか、混乱してて、さっぱり何がなんだか。


「うん」


「じゃ、掴まってろよ。舌噛むなよ」


へ?と問い返す前に、彼はあたしをお姫様抱っこしたまま、おもむろに頂上から飛び降りた!


あぁ、死んだ。今度こそ死んだ。



山を半分くらい下降した頃だったか―…突然それが止まる。


彼は燻し銀の髪を靡かせながら、

宙を駆ける。


速い。


―…だから舌噛むなって言ったのか!
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