この想いを君に…4
「緊張するな、という方が無理やけど…」

コースを1周、回ってきてグリッドに着く。

スタンドでマシンを立てて貰って名前がコールされると観客席に向かって手を振った。

今日は高校の友達が応援してくれている。

チアホーンを鳴らしてくれていた。

パラソルを持ってくれているのはママでもなく、桜でもなく…

光さん!

知樹には祥太郎。

なんと豪華な…

二人とも、この後レースが控えてるのに、自らこの役を引き受けてくれた。

あちこちのチームの人達やメディアの人達が写真を撮りに来ていた。

普通はキャンギャルや経費のないところはヘルプの人がしてくれるけど…。

このチームはこれがあたり前な所がある。

どんなに凄いライダーでも、自分の事だけじゃなしに後を引き継ぐ人達を大切に、協力出来る所はする。

本当は光さんも祥太郎も自分の事に集中すべきなのに。

それなのにあたし達の為にそうしてくれた。
< 119 / 174 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop