この想いを君に…4
パパは…



あたしはキョロキョロと辺りを見回す。



ピット奥から出てきたパパは目を赤くして、あたしを見て微笑んだ。



「おめでとう、睦海」

パパの穏やかな声が耳に届く。

「…パパ」

人で溢れているピットロードが一瞬、空いた。

「うん…よくやったよ」

パパの頬に涙が伝った。

あたしは猛ダッシュでパパに駆け寄ると倒れるんじゃないかっていうくらいの勢いで抱きついた。

「良かったよ」

「…パパ、ありがとう」

急に涙が溢れ出してパパの胸に顔を埋める。



周りで鼻をすする音が聞こえたけど、あたしは顔を上げられなかった。
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