この想いを君に…4
祥太郎は俯いて自分の太股を叩いた。

「手は抜かなかったんだね」

隣にいる知樹は少しホッとしたようにあたしを見る。

あたしも微笑んで頷いた。



だってさ。

祥太郎って案外優しいから。

光さんに最後、勝たせるんじゃないかって思っていたけど。

本気で勝負してたんだね。



祥太郎はやがてゆっくりと顔を上げると拍手が沸き起こっている観客席に向かって手を振った。
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