この想いを君に…4
「もう帰るんだ」

祥太郎は寂しそうに光さんを見つめた。

「うん、今から走れば朝には着くから」

光さんは微笑んだ。

「じゃあ、また…」

光さんは周りにいるみんなを見つめて大きく深呼吸をした。

そして愛車、R1のエンジンを掛ける。

何回かアクセルを煽って、バイクに跨がった。

チラッとこちらを見て、右手を挙げてからギアを入れた。

アクラボビッチのマフラーの音。

軽やかな光さんの乗りこなし。



段々その後ろ姿が小さくなって、やがて見えなくなった。
< 164 / 174 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop