この想いを君に…4
「早く、治るといいね」

桜はそう言って立ち上がると新体操の練習に出掛けた。



意地悪で生意気な妹だと思っていたのに…



いつの間にか。

変わっていた。



「むっちゃん!」

今度は泰樹がやって来た。

「慰めになるかどうかわからないけど…」

そう言って差し出した1枚のCD。

「今度、メジャーデビューすることになったから」

はにかみながら言う泰樹。

…メジャー。

「8耐で僕の歌を聴いてくれた音楽プロデューサがいて、とんとん拍子に決まったの」

驚きで一瞬、意識が遠退いたけど。

「おめでと!」

笑顔で言うと嬉しそうに泰樹は頷いた。
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