この想いを君に…4
「けれど…」

パパは前方のコースをじっと見据えた。

「それくらいで集中力が切れるなら祥太郎もまだまだだね」

目の前を通過していく祥太郎。

ペースは上がっているけど、まだまだいけるはず。

「まあ、でも、最後辺りにはいけそうかな…」

パパは祥太郎を見つめながら呟いた。



確かに1周ごとにペースは上がってきている。



今回は粘って走り続けて、最後の最後でタイムを出してきた。

1位は光さん

2位は北さん

3位は祥太郎



そしてその予選が終わってパパの携帯に電話。

相手はママからで、今、産まれたよって。

性別はわかっていたけど、敢えて祥太郎達は聞かなかった。

産まれた時の楽しみが減るからって。



…女の子だって!



あたしと同じ誕生日の女の子。
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