この想いを君に…４

翌日。

ピットウォークでは相変わらず祥太郎と光さんの人気は凄い。

サイン会は列を成していた。

あたしはガレージの後方でその様子を見ている。



「たまにはここから見るのもいいだろ？」

パパがあたしの隣に座った。

「…楽しくない」

あたしは頬を膨らませる。

「まあ、何事もいい経験だよ。
こういう、我慢も必要だよ」

あたしはパパの言う事を半分聞き流しながらぼんやりと人の往来を見つめていた。

祥太郎相手に緊張している人。

そんなに緊張しても緊張するだけ損するよ〜

…なんて、心の中で突っ込んでみる。

光さんは…

あ、差し入れ貰ってる！！

いいなあ〜、羨ましい〜！！



なんて、くだらない事ばかり考えていた。