この想いを君に…4
『僕は自分自身が望めば…』

祥太郎の声がマイクを通じて体育館に響く。

『今よりもうんといい環境でレース活動は出来ました』

確かに。

日本へ帰ってきても祥太郎さえ望めば。

良い環境の中でいる事が出来た。

『でも、僕はここに在学している門真 睦海のお父さんの元でもう一度、レースがしたかった。
十代の、僕が高校の時に所属していたチームや監督。
…僕が僕らしく居る場所は本来、ここなんだって。
マシンに掛けられる費用とかはかなり厳しいけど、今は門真 睦海や他のメンバーと充実した日々を送っています』

そう言って祥太郎は周りを見渡した。
< 54 / 174 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop