この想いを君に…4
「24の時からここに住んでるからなあ…13年か」

光さんの声が部屋中に響いた。

家具がない部屋ってこんなに声が響くものか、なんて妙な感心をしたり。

「光くんがウチのチームで活動を始めて13年っていう事になるよね」

ママも今日ばかりはいつものはしゃぎ様を封印して落ち着いた口調で話をする。

「うん、そうやな。
いつの間にかそんなに経ってたんやな…」

光さんは小さく呟いた。

その前は世界の強豪相手に活動をしていた。

「…中々楽しいレース活動やったなあ」

そう言って微笑んだ光さんの横顔は寂しそうだった。
< 72 / 174 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop