この想いを君に…4
「むっちゃん」

決勝前、光さんがあたしの元にやって来た。

「わかってると思うけどポイント争いが熾烈」

あたしは頷く。

「でも、むっちゃんは今、上位陣でも実力は1つ抜けてると言ってもいい。
とにかく諦めたらあかんで!!」



周りを見るとメカニックの至さんも目が合えば頷いてくれる。

知樹に付いている祥太郎も。

アイコンタクトで応援してくれているのがわかる。

パパは穏やかに微笑んでいる。

ポイント争いしている知樹でさえ…

「本気を見せてよね。
負けるなら本気のむっちゃんに負けたい」

なんて、言う。
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