この想いを君に…4
その後は独走だった。



自分自身、どんな走り方だったかあまりわかっていないくらい。

まるで、誰かに操られているような感覚で気がつけばパパに抱きしめられていた。

「睦海、凄かったよ!!」

パパの声が興奮しているのか震えていた。



光さんや祥太郎にも褒められたけど。

イマイチ…実感がない。



「ポイント、これで同じだね」

知樹の声で我に返った。

今回、知樹は3位。

更にそのごく僅かに下回るポイント差で智道がいる。

シリーズチャンピオン決定は最終戦まで縺れ込んだ。
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