この想いを君に…4
「痛い…」

JSB1000の決勝が始まる前に気がついた足の痛み。

それまで感じなかったから結構必死だったんだな、あたし。

思わず苦笑いをする。



「睦海、座ってたら?」

パパが傍にあった椅子を指差す。

あたしは頷いて座る。



目の前では1周のウォームアップランを終えたマシンが次々とグリッドに着く。

ポールポジションは祥太郎。

何度も、何度も。

その位置にいる。



あたしもいつか、そんな貫禄を付けたい…なんて思うけど。

そこにたどり着くまでにはどれだけの山を乗り越えないといけないのだろう。
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