この想いを君に…4
静まり返るパドック内。
光さんにおめでとう、と言えない雰囲気がチーム内に流れている。
あたし、思わず周りの大人達の様子を伺った。
戻ってきた光さんも、祥太郎も笑顔はない。
張り詰めた緊張感だけがそこにはある。
メディアが二人にインタビューに来たのは表彰式が終わってから。
その時、ようやく二人は顔を見合わせて笑った。
表彰式でも二人とも、ニコリともしないからパパは
「やっぱりどちらかを600にすべきだった」
と言って頭を抱えていたから。
ようやく見せた笑顔にあたしも周りもホッとした。
…最終戦は2週間後。
あたし自身も頑張らなくてはいけない。
拓海くんに追い付くには優勝しかない。
そして光さんも、今度がラストランになる。
出来たら…チャンピオンになって欲しい。
でも、祥太郎も負けて欲しくない。
…うーん、難しい。
あたしはこっそりため息をついた。
光さんにおめでとう、と言えない雰囲気がチーム内に流れている。
あたし、思わず周りの大人達の様子を伺った。
戻ってきた光さんも、祥太郎も笑顔はない。
張り詰めた緊張感だけがそこにはある。
メディアが二人にインタビューに来たのは表彰式が終わってから。
その時、ようやく二人は顔を見合わせて笑った。
表彰式でも二人とも、ニコリともしないからパパは
「やっぱりどちらかを600にすべきだった」
と言って頭を抱えていたから。
ようやく見せた笑顔にあたしも周りもホッとした。
…最終戦は2週間後。
あたし自身も頑張らなくてはいけない。
拓海くんに追い付くには優勝しかない。
そして光さんも、今度がラストランになる。
出来たら…チャンピオンになって欲しい。
でも、祥太郎も負けて欲しくない。
…うーん、難しい。
あたしはこっそりため息をついた。