AEVE ENDING
(きっと、)
また「種」から、始めたくて。
「神」である雲雀が造り出された過程の根源も、己が犯した罪も、私という存在も、すべて消し去って。
「…もう一度、」
産みだしたかったんだ。
世界の美しく息づく様を。
人が暗闇に生きる前に、光をもたらそうと、歪んだ形ではあったが、確かに。
(祈りはいつか天に孵る)
「ねぇ、雲雀」
「私」は、その為に造られたのだと桐生は言った。
世界を美しく彩る神の影となり代わりとなり、対として生きろ、と。
(でも、雲雀は)
そんな私を、求めてくれたから。
醜く朽ち果てるだろう私を、慈しみに満ちたまま、抱いてくれた。
(神に染められたなら、)
「わたしにも、なにかできるかな」
私達を産み出したこの世界を、ならば救うことが可能なのだろうか。
「…あんたは、あんたはなんだかんだ言って、この世界が好きだから、」
だからきっと、慈しむことを知っているのだろう。
桐生に言われるまでもなく、雲雀は朽ちてゆく世界を憂い、傲慢な人間を蔑視していた。
(…私は、あんたと一緒に)
呪うことではなく、慈しむ手を。
―――なにができる?