AEVE ENDING
「散々馬鹿にされて庇うの?偽善的」
倫子の脳内を読んだ雲雀が、無表情のままそうのたまった。
冷静に軽蔑されているようで気分が悪い。
「…目の前で行き倒れられたら気分悪いだろ」
「目の前じゃないんだから良いじゃない」
「お前…、良識的な人間として人生もっぺんやり直してこい」
「悪いけど僕は人間じゃない」
「ごめん悪魔だった」
「死にたいの」
ポツリポツリと小雨が降り始めた事を気にもとめず、下らない口論を続ける。
相変わらず固まったままの数名の島民達。
神妙な顔をした、真醍。が、やっと口を開いた。
「…なぁ、話の途中わりぃが、もう手遅れかもしんねぇ」
───は?
思わず、間抜けそうに口を開けてしまった。
少しだけ開いた口端がひきつって、痛い。
「…一先ず城に戻るべ。雨も降ってきたし」
そう言われて見上げた空はまるで嵐の前触れのように暗かった。
どす黒く焼けてしまったかのような雲が今にもとぐろを巻いて蠢き、不吉さを増して涙を流す。
まるで、今から起こる「事象」をなにもかも見透かして、嘆いているかように。