AEVE ENDING
かみさまには、なりたくない。
耳につく、体の軋む音。
(……独りだ)
耳につく、弱った心音。
つらい、真っ暗。
(…いたい)
瞼が開かない。
重い。
(いたい)
『…本当に、偶然でしたの』
艶やかな声が聞こえる。
『たまたま、九州の方へ公務で遠出した時分』
柔らかな、美しい声であるのに。
『───たまたま、あの子が私の目に止まったものですから』
ぁ、あ。
私の運命を変えた、女の声だ。
『誰でも良かったのよ…。あの子の身代わり、なら』
誰でも。
(私の体は、あいつに差し出されたんだ)
あ。
(…声が、似てる)
誰に?
『───あの子の、可愛いあの子の代わりなら、』
誰だって、よかったの。