AEVE ENDING
「あんたとペアなんて御免被るよ」
雲雀を見据えて、更に余計な一言を発する。
「それこそ、僕の台詞だ」
本来なら、言葉を交わすことも赦されないくせに、あの修羅と普通に会話する橘倫子が憎らしい。
自分達が渇望するその位置に居ながら、それを望んでいないなんて、更に。
傲慢過ぎる倫子の態度に、生徒全員が苛立っていた。
殺気が強くなった群集を見渡しながら、雲雀は感嘆したように溜め息を吐く。
「…煽るのがうまいね。無意識?」
「…さあね」
それを一瞥し、しかしすぐさま目を逸らしてから倫子は吐き捨てた。
ふぅん。
小さなその呟きが、倫子の鼓膜を際限なく苛立たせる。
「故意なの?」
「…知らねーよ」
見透かすような雲雀の視線から逃れるように、倫子は奥田を見た。
半ば睨み付けてくる勢いの倫子に肩を竦めつつ、奥田はあのなり損ないの笑みを浮かべる。
「お前等にも、勿論、反論権はないからね」
そうしてここに、事実上の「采配」は成立したのだった。