AEVE ENDING






「それに僕はきっと、躊躇いもなく君を殺すよ」

数歩進んだ先で発せられた雲雀の一言に、心臓が止まり掛けた。
どこかからかうような、けれどとても静かに、真実を告げる唇。



「…、」

どくりと鳴った心臓が、音を大きくさせながらアミの全身を凍り付かせてゆく。

今、なにを言われたのか、その言葉の意味とそしてその危うさに、身が竦んだ。

足元から凍ってしまうような、ぞ、とする冷気と狂気、イカれた享楽。



    ··
「───アミを殺せば、橘は僕を殺しにくるだろうから」

憎しみに悲しみに染まるその眼が見たくて。

(あの全てを揺るがすような、僕を、殺す眼)


立ち竦んだまま動かなくなったアミを意地悪く嗤い、雲雀は回廊を進んだ。

真っ白なアーチに響く靴音が、虚しく、そして滑稽だ。




『…雲雀』


優しさを求めているわけじゃない。

初めて触れる温もりに、焦がれているわけでもない。


(望むのは)






『殺してやる…っ、』


血濡れた僕を望む、あの殺戮に染まる眼。






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