AEVE ENDING
「…みられた」
「仕方ないでしょ」
「みられた…」
「まだマシだったんじゃない?場面的に」
「…っうわあああぁあぁん」
「ちょっと、煩い」
「やだー!みられた!やだもう、絶対、こ、こんなの、し、しない…!」
「…その時は縛ってでもヤるよ」
「…ぅわあぁぁあああん!オカーサァアアアーン!」
「煩いなぁ」
殴れば、静かだ。
(―――まぁ、焦らなくてもいいか)
部屋が戻るなら四六時中一緒にいるわけで、タイミングに困ることもないだろう。
(…考えると、ちょっとウザったいな)。
それでも、嫌悪が湧かないことが不思議だった。
そこにいるのが当たり前で、喚くことに不愉快は感じれど、姿がなければ落ち着かない。
―――この想いに、名前などなくていい。
「橘」
「……」
「ご飯食べに行くよ。食べないなら、僕ひとりでも行くけど」
「は、はずかしい」
「馬鹿言ってないで起きたら」
「いやだー!」
「いい加減にしてよ。殴るよ」
さっきから撲ってるくせに!
散々喚き散らした倫子を殴り付け抱えあげ、雲雀はぐちゃぐちゃのベッドを後にした。
―――第三章、幕