AEVE ENDING
(…あぁ、待て待て。どっちにしろ雲雀も真醍も鍾鬼も一匹狼タイプで、こいつらに真鶸を預けたところで結局は変わらないという―――)
なんだこの無意味なループ。
真鶸の周りには役立たずばかりか。
(いやまぁ、一番の役立たずなのは私だけど)
真鶸に一番良い環境を提供できる人物といえば―――。
「…朝比奈」
プラス、武藤。
雲雀達と比べれば、彼らのほうがまだマシだろう。
倫子がナイスアイディアと閃いた時だった。
「まるで保護者面だね。知ってる?そういうの、余計なお世話って言うんだ」
考え込んでいたら、ばっさりと斬られた。
「…でたよ、このヒトデナシ」
「酷いね」
「そっくりそのままオマエに返す」
(しかも頭ン中まで筒抜けかよ、コンニャローめ)
戻ってきた雲雀が、当然のように真鶸が淹れた紅茶を手に取った。
「兄様っ!」
それを嬉しそうに見つめる真鶸を、ぼんやりと眺める。
(…余計なお世話かぁ)
確かに、そうかもしれない。
「―――じゃあやっぱ、私だけ単独行動で」
しかしやはり、イヴの肩書きは真鶸の教育に良くない気がする。
ここは自分が身を引こうと口にすれば。
「セクションの原則を忘れたの。ペア行動は必須だよ」
雲雀に遮られた。
「真鶸と組めよ!」
その為の編入だろ、と叫べば。
「だから今、真鶸の扱いをどうするか理事に掛け合ってきた」
―――りじ?
「理事って、いるの?」
「理事なんだから当たり前でしょ」
至極当然な答えが帰ってくるが。
「収容されて二年ちょい、見たことねぇし」
「恥ずかしがり屋だから」
「意味わかんないんですけど」
「もう…、脱線したじゃないか」
「…私のせいか?」
「他に誰がいるの?」
コンニャロ。
冷ややかな受け答えに倫子が押し黙れば、話の先が気になったのだろう、真鶸が慌てて顔を出してきた。