AEVE ENDING
『ヒトにもアダムにもなれない』
『狭間で苦しみもがき、そうして生にしがみついて足掻いてみろ』
『ヒトが造りだした、最高で最悪のバケモノ』
本来、彼女は在ってはならないものだから。
『―――頼むから、』
そうして痛ましいまでに丸めた体で泣いたのはいつだったろう。
『頼むから、…暴くな』
そうして乾いた砂を腹に孕み、重さに耐えられず、いつか。
「異物…?」
存在することなど赦されない。
傲慢たる神の子がその手を過信し造りだした、罪深き神の子。
『―――もう、生きていたく、ない』
「本能レベルで拒絶するから、橘を嫌悪する本人達にもよくわからない。ただそれを僕に関することに当て嵌めて、自分勝手に解釈してはいるみたいだけど」
冷ややかに落とされた雲雀の視線が扉の向こうへ消える。
雲雀の発した言葉全てを集約し考え、行き着かない答えを求め、ロビンはただ立ち尽くしていた。
『当然です』
大切な大切なアナセスの言葉が蘇る。
『彼女はなにひとつ、悪いことなどしていないのですから』
―――それでも。
『彼女の罪ではない、のに』
穢れた傷は拭えない。