AEVE ENDING
『血を残す必要が、ある』
荒廃したこの世界に、なにより必要であり不必要であるその破片を広い集め空に飾ればいい。
『もし彼の代で破滅を実現できぬようなら、あの身に組み込まれた破滅遺伝子を後世に残さなければならない』
磔の、美しい蝶の如く。
神は一途に、君に、愛を囁く。
(殺されるべきは、きっと)
なにより慈しむ存在を神はその手から溢してしまったのだ。
(ねぇ、その手を)
地上の大気に毒された御子を、それでも取り戻そうとするのか、或いは棄て子として地上に奉るのか。
『―――君に勤めをあげよう』
それは枷となり、あなたの自由を奪うだろうか。
『一生を掛けて、果たさなければ…』
天空に煌めく星々よ。
『愛しい子よ』
父の愛すべき御子の命を看取らんことを。
―――幸せよ、在れ。