AEVE ENDING
「あ、良いね、鯖。食べたいなぁ。…あ、やだな、もうみっちゃんたらコワイ顔ー!悪かったよ、冗談だよ、先生のちょっとした気遣いじゃないのさ」
口から煙を吐き出しながら、奥田はやる気なく笑って見せた。
「―――ま、実践想定型で提案された研究段階の学習方法でね。毎年何組か、優秀なアダムを参加させてる。無事に帰還した者には誇りと譽れを、なんてね」
へらへらしている奥田の横面を、倫子は思いきり張り倒したくなった。
「環境整備が行き届かない土地で、旧文明の財産―――お前等アダムを「化け物」と呼ぶ原始人を相手に、力比べだ」
ニヤリ。
そう言って嗤う奥田の笑みは、やはり出来損ないだった。
「…、」
倫子の、声にならない吐息が音もなく、本当に音もなく、冷淡な空気に沈んだ。
(―――最悪、だ)