AEVE ENDING
神に殺されることなど、赦さない。
どうか貴方のその美しい手で、貶めて、殺して。
「―――起きなよ」
朝、耳に心地良い美声で起床を促された。
(…これは、眠れる)
言葉は覚醒を促すのに、その声の柔らかさと浸透力といったらまるで子守歌のようだ。
あぁ、とてもいい音楽のように。
暖かな、光の中で。
「起きて」
バシンッ!
―――ひっぱたかれた。
急激な勢いで眠りから現実へと引き戻されたため、眠っていた脳と叩かれた頬がガクリと痙攣する。
「なんて醜い悲鳴なの」
朝一で、まさかの。
目覚まし代わりにしては理不尽な暴力。しかもトドメは歯に衣着せぬ毒舌。
瞼を必死にこじ開けたら、端正な顔がこちらを覗き込んでいた。
「…ク、ソ」
最悪の目覚めである。