好きなんです。先輩のこと…
一章
運命の始まり。
「まだ、ドキドキしてる…」
そう言って、私は胸に手を当てている。
私、草野芽瑠。
中学3年生。
明るくて元気な、お調子者。
まぁ、どこにでもいるようなふつーの中学生。
世間は夏休み!
今日は、ここ清南高校のオープンスクールに来ています。
地元の高校で、頭の良さは普通ぐらい。
一番近いから、この高校に行きたいんだ。
午前中は、体験授業。
校舎の中は結構きれい。
授業は…ハングル文字の規則性?
う~ん、よくわかんない。
かなり緊張したけど、友達もいたし楽しかった。
午後は、部活動見学。
バスケ部に行った。
実は、小3のころからバスケをしてる。
だから、高校でも続けるつもり。
ちょっとボロい体育館に入ると、
「こんにちは~。女バスにようこそ!」
よかった。先輩やさしそう。
はじっこで、見学。
見るだけなんて、つまらないなぁ。
ふと、となりの男子バスケ部のコートを見る。
ダム、ダム、キュッ、シュッ…スパ!
やっぱ、男子はすごいな~。
あっ、祐人(ゆうと)が見学してる。
祐人は、私の男友達。
やんちゃでバカ。
けど、気が合うんだ。
シュッ…スパ!
うわぁ~。今シュート決めた人かっこいい!
…あれ?あの人どこかで見たような?
あー!小学生の時ミニバスで一緒だった、永見(ながみ)ユウキ君だ。
たしか、小5ぐらいの時に引っ越したんだよね。
清南だったんだぁ。
なんて考えてたら、
――――バチッ
え?目が合っちゃった。
どうしよう。そらすべき?
そしたら…
「にこっ^^」
ドキン!!!
...え?え?何これ?
何で、「ドキッ」なわけ?意味わかんない。
は?ちょっと待ってよ。
え…えぇぇーー!!
…ってことがあって、見学が終わった今でも、まだドキドキしてる。
まさか......ね?