たった一人の生存者

「皆オハヨー！」

榊原は意気揚々と叫んだ。

「榊原ちゃん遅いよ。」

「センセーもっと早く。」

ｸﾗｽﾒｲﾄ達からやじがとぶ。

「ゴメンね寝坊しちゃった。」

榊原はまだ若く23歳の新人教師だ。ｸﾗｽﾒｲﾄからもよくからかわれるが慕われている。

教育に全てを掲げた熱い教師だ。ただよく空回りするのが難点である。

暑苦しいｸﾗｽﾒｲﾄに熱血教師幸平はこんなｸﾗｽが好きだった。

自分に無いものがこのｸﾗｽには溢れている。人と接する事を拒否していた頃があった幸平にとって嬉しい事だった。

自分もそうなりたいと思っている。