たった一人の生存者
少しして井之上がひょこっと教室に顔をだし、幸平へ向かって歩いて行く。手には弁当を持って。

「めっちゃ恥ずかしかったぁ。だって俺のクラス五分前に終わったから。」

「俺のクラスもそうだとは限らんだろ?」

「それはそうだけど。」

幸平と井之上は会話を楽しみながら昼食をとっていた。

「なぁ甘い玉子焼き一切れくれよ。」

井之上は幸平の甘い玉子焼きを狙っている。

「貴様。これを俺の好物と知っての言動か!ならばその肉を差し出せい!」

幸平は言葉が変になっている。テンションが上がっているのだろうか。
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