たった一人の生存者
明日からは素の自分を出していこうと幸平は思った。

榊原冴子。本当は凄い教師なのかもしれない。

「んっ?」

幸平のポケットで携帯電話が震えている。

「はい、もしもし。」

井之上からの電話だった。

「もうHR終わった?俺んとこ終わったから。」

「じゃあ一組行くわ。」

「オッケー。」

幸平は一組の教室へと向かう。扉からは生徒達が我先にと、出ている。

幸平はこの波が収まるのを待って、教室に入った。

「おう。」

井之上と幸平は互いに軽く挨拶をする。

一組の教室にはまだちらほらと生徒が残って居た。
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