たった一人の生存者
井之上も笑いを堪えるのに必死だ。

二人は暫く笑いを落ち着かせた。

「そんでさ。明日見に行ってみないか?」

井之上が真剣な顔で切り出した。

「あぁ。いいよ。」

幸平はまだ笑っていたが、井之上の真剣な顔を見て、素に戻った。

「あっそだ。俺も言いたい事あんだけど。」

「何?」

「今日さ、体育で雨降った時にさ校庭に誰か居た?」

幸平は今日の授業中の事を井之上に聞いてみた。

「さぁ。逃げ遅れた奴かな。」

「いや、雨ん中立ったままだったんだ。」

「?ごめん。見てない。」
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