たった一人の生存者
二章 列車脱線事故
朝が来た。昨日の雨が嘘のように今日は青い空が広がっている。
「学校か…。今日は山に行くのか。」
幸平はベットから抜け出して風呂場に向かった。幸平は朝風呂派だった。
風呂から上がると妙が弁当を用意してくれていた。
妙は疲れているのか寝ている。
「行ってきます。」
誰からも返事はないが、幸平は一応言っておいた。
いつもと変わらない道を歩いて行く。
駅に着き、ローカル線の電車に乗り込む。
今日も常連の四人は揃っていたが、他に客はいなかった。
何か嫌な予感がした。