たった一人の生存者
…………。

しかしそこには誰もいなかった。

「…どうなってんだ?」

勝が呟く。

「…わかりませんよ。」

幸平がなんとなくで返した。

……………。

「とっとにかくブレーキを!!」

幸平が我に返って叫ぶ。

「どれだよ!?」

勝は混乱している。

幸平は運転士室を見渡し操縦桿にあるレバーを見付けた。

「動かねぇ!」

力一杯引くがびくともしない。

「もう、終わりじゃねぇかぁ〜!」

勝は狂い出し、運転士室から外へ逃げた。

幸平はそんな事には見向きもせずブレーキレバーを引く。

物凄い汗だ。
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