たった一人の生存者
一章 進み始めた物語
人が賑わう校門前。がっちりとした体つきの男が立っている。
「やべぇな…。持ち物検査やってやがる。しかも体育の田辺だ。」
幸平は心の中でそう呟いた。別にこれといって何も持っていないが。それが問題だった。
幸平の鞄の中に入っているのはノート数冊と筆記用具だけ。教科書は教室に置いてある。
ただこの学校。おきべん禁止なのである。怒鳴られるのを覚悟し幸平は校門へと向かう。
「おいっ!」
田辺は幸平を呼び止めた。
「なんすか?」
涼しい顔を上げ幸平は田辺の目を見て言った。
「鞄の中を見せてみろ。」
「やべぇな…。持ち物検査やってやがる。しかも体育の田辺だ。」
幸平は心の中でそう呟いた。別にこれといって何も持っていないが。それが問題だった。
幸平の鞄の中に入っているのはノート数冊と筆記用具だけ。教科書は教室に置いてある。
ただこの学校。おきべん禁止なのである。怒鳴られるのを覚悟し幸平は校門へと向かう。
「おいっ!」
田辺は幸平を呼び止めた。
「なんすか?」
涼しい顔を上げ幸平は田辺の目を見て言った。
「鞄の中を見せてみろ。」